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自然とどう向き合う? 漁師・ライター 三浦尚子 さん Inspire High レポート6

【Inspire High 活動報告書No.6】

Article by:未来miku

開催日時:2020 9月27日(日)13:00〜14:30 

*牡蠣の養殖船の上からリアル中継*

参加者 :未来miku


⦅自然とどう付き合う? 漁師・ライター 三浦尚子さん


*司会のイアンさんからセッション前の質問*

Q→3年という数字は何だと思うか。

A→三年牡蠣の養殖にかける時間。養殖者は三浦さん含め日本には数人しかいない。

他の産地との差別化をはかっている。

【三年牡蠣とは】→大きくて栄養価の高い牡蠣。

ちなみに広島産の牡蠣は一般的に一年半程度の養殖期間である。


(1) 漁師 三浦尚子さん プロフィール

神奈川県出身。岩手県陸前高田市在住。牡蠣やワカメの養殖をしている。

大学在学中に東日本大震災が起こり、大学のゼミで傾聴ボランティアを行うために陸前高田へ行ったのがきっかけ。1ヶ月間ワカメの漁業アルバイトを経験し、そのまま移住し就職。漁業にのめりこみ、陸前高田で漁師として働き既に7年以上になる。現在は牡蠣とワカメの養殖作業のかたわら、SNSでの発信をおこなっている。漁業を広めるためにライターとしても活躍中。


(2)年表History

16歳→国際協力や貧困支援に興味をもった高校時代

22歳→就活を辞め、編集系インターンを経験するも当時の夢をあきらめる。

被災地ボランティアで陸前高田へ

23歳→大学卒業後、陸前高田で漁業アルバイトをはじめる。一ヶ月で移住を決意。

29歳→ライターとしても活動し、漁業について発信中


(3)三浦さんへの質問

① 牡蠣の養殖で苦労したことは何ですか。

陸前高田での牡蠣養殖では夏場に特別な作業にあたる温湯駆除(おんとうくじょ)がある。牡蠣の周りについている寄生虫を取り除くための作業のことである。船の上に大きなお風呂を積んで70度のお湯をわかし、クレーンに牡蠣をつけて戻すという作業である。

夏場の暑い時期なのでとても大変だ。


② 漁師をやっていて一番やりがいを感じたことは何ですか。

牡蠣の養殖においては、暑かったり、寒かったりさまざまな作業をともなっているが、「美味しい」と言ってもらえる事が何より嬉しく、その時にやりがいを感じている。


③ 牡蠣の年数はどのように管理しているのか。

漁師さんが個々に管理している。牡蠣の養殖場所が決まっており、図面として保存しているので年数も管理出来ている。


④ おいしいという声が直接漁師さんに届く機会は少ないのではないか。

豊洲など大きな市場を通してしまうと確かにお客さまからの直接の声は届きにくい。

市場にだけおろしている漁師さんは特にそうかもしれない。


⑤ 海や環境と日々向き合う中で感じることは何ですか。

段々と海水温が上昇してきていることもあり、獲れる魚も変化しているように思う。

貝毒という毒性のあるプランクトンを含んでしまったことにより、牡蠣に毒性が発生する

ことがある。それがここ2.3年で発生しており、海の状態が変わってきているせいだと私は考えている。


⑥ 牡蠣を育てはじめた頃の収入はどうしていたのですか。

一緒に働いている漁師さんに雇用してもらっており、給料制で収入は得ていた。


⑦ 高校生の時に国際協力に興味をもったきっかけは何かあったのですか?

自分が通っていた高校は普通科ではなかった。単位制で専門科目の国際協力系・環境系の授業を専攻することが出来た。授業の中で世界の貧困事情をはじめて知り、自分で何

か出来ることはないかを考えるようになったのがきっかけだと思う。将来は青年海外協力隊に行きたいという憧れをもったのもこの頃である。


⑧ 漁師はつらく重労働であるとはその時に思わなかったか。

海のそばに住んだことがなかったので、はじめてみる世界に全部興味があった。確かに働きはじめの頃は体力がなく、大変だった。しかしながら今は体力もついてきたので楽しい。


⑨ 女性の漁師は見かけないと思いますが、気にならないですか。

体力は必要だが、性別は関係ないという感じだった。自分としても気にはならなかった。


⑩ 船酔いしませんでしたか。

はじめの頃に一度だけ大波の時に船酔いした。

その時は仕事にならず、先に帰されたという状況だった。


⑪ これから挑戦したい事、やってみたい事はありますか。

今年秋から自分の名前でワカメの養殖をすること(自分で経営)が決まっている。経費やお金の部分含め、はじめての経験となる。


⑫ 挑戦することは怖いですか?

自分としては怖いとは思っていない。現在の働き方に慣れて安定してきたことから逆に「このままでいいのだろうか。自分は成長しなくなるのではないか」と考えるようになった。自分が今までやったことのない新しい事に挑戦出来ることに自分はワクワクしている。


⑬ これからもずっと陸前高田でお仕事をされますか?

海の仕事・養殖でいえば、陸前高田でと考えている。しかしながら、もう一つ考えていることがある。それは漁業を広めるための活動である。その際は、この地域の人たちだけではなく、さまざまな人と接して活動をしていく事になると思う。


⑭ 海の環境を改善するにはどうしたらよいと思うか

自分も含めてみんなが自然と距離を近くすることだと思う。自然から意識が遠ざかっているせいでプラスチック問題など、人々が環境に配慮しないようになってしまったのかもしれないと私は考えている。


⑮ 自然は優しいものでもあるが怖いもの(津波など)でもある。自然の力についてどう思うか。

自然の力(津波や土砂崩れなど)は人間の私たちではコントロール出来ないものである。したがって自然の力は受け入れるしかない。私たちは自然災害をどのように回避する

かについて自然と向き合うという点について考えておくことが必要だと思う。


⑯ 最後に「自然とどう付き合うといいと思いますか」

自然との距離をおかないようにすることである。人は人、自然は自然と分離して考えるのではなく、自然の中に人がいて生き物がいる、そして季節があると私は考えている。

人が自然と分離している時に災害が起きているように思う。自然との距離をおいて、人の中でしか暮らしていないと、他人と比べる方に気持ちが向いてしまったり、悩んだ

りするのかもしれない。朝日が昇る海を見て一日を過ごしてみると、自分の考えがとても小さなことで、自然の中では人はみな平等であると思えるようになった。

何かつらいことがあったら緑を見にいったり、自然の中の自分を味わうのもよいのではないか。人は自然の一部ということを忘れないようにしてほしいと思う。

「自然はクリエイティブ」と自分は考えている。季節によって山の色が変わったり、時間帯によって日の光の入り方が違ったり、おもしろい。海の色が変わっていくのは自然

の中のカラーパレットのようだという表現も出来る。違う視点で自然をとらえてみるのもいいかと思う。



(4)アウトプットについて

【漁業を広めるためのアイディアを考える】

ガイドの考え方

→このアウトプットをテーマにした背景

自分で働いてみて感じたこととして、漁業に携わる人は全体的に60歳代・70歳代の高齢者が多いという事があげられる。跡継ぎがいないとそのまま廃業になってしまうことも問題である。3K/4Kというイメージをポジティブにかえていくことが出来ないかと考えている。自分が漁業を広めたいと考えているのには理由がある。漁業は人の食に大きくかかわる仕事である。生産者や漁師が少しずついなくなるということは結果として、今まで意識せず当たり前のように食べられていた魚介類が食べられなくなってしまうという「食の問題」につながってくると思う。若い人が興味をもって、もし一緒に働いてくれたならば、高齢の漁師さんも喜んで元気になってくれるように思う。


①タイトルは何ですか?

②どんなアイディアですか?

③イメージ画像を添えましょう。


*メンバー間のフィードバックにあたりアドバイス*

自分自身の仕事は風や波など自然を感覚でとらえることが多い。

最終的には直感で考えている。そのようなことからもフィードバックは「いいね」と感覚的に思えたら素直に「いいね」と言ってみたらよいと思う。               

【未来mikuのアウトプット】

(1)職場体験!Job Experience!

(2)題名の通り、職場体験に「漁業」を追加して、実際に漁師さんの仕事を体験する事です!漁師さんの一日を体験することで、興味を持つきっかけになると思います!


【未来mikuの感想】

漁業について詳しく知る機会は学校の授業以外ほとんどなかったので、とても勉強になりました。また、漁業のお話から近年の環境問題についてもあらためて考えさせられました。三浦さんが最後に仰った「自然の中では人はみな平等である。人は自然の一部である。」という言葉は落ちこんだり、悩みがでてきた時に思い出したいと思います。

三浦尚子さん、どうもありがとうございました!


Inspire High

Inspire High(インスパイア・ハイ)は、アーティストやビジネスリーダー、

研究者など、第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、

自分の世界を広げるインスピレーションをもらう、オンラインサービス。

https://www.inspirehigh.com/ Inspire Highさんのnote


未来miku

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